生命の共鳴




秋の気配が徐々に濃くなる毎日。

こもれび通りの雑木林では、まだ日中はセミの声も聞こえますが、夕暮れになると秋の虫の大合唱が始まります。



リンリンと鳴くのはコオロギかな?

でも一種類ではなく、きっといろんな秋の虫がいっせいに鳴き出しているようです。

涼やかな音色は途切れることもなく、かすかな街の雑踏とまじりあい、ここがまだ東京の片隅であることを思わせます。



先日、おとなりのカフェ・れらさんと暗くなった雑木林を見ていたら

「これセミではないよね?なんだか木の高いところからも聞こえる気がするんだけど?」

確かに、いわれてみれば・・・

そう思って聴いてみると、虫の声は雑木林の草むらからというより、全体から聞こえてくるようでした。

「ほんとだ、森が鳴いてる」

暗くなった木々の重なり、漆黒に染まった雑木林の暗闇や、首をうんと見上げた梢の上からも、虫の声は響いてくるようです。



リンリン、チーチー、スイースイー、もう一体どんな音がどこから出てるのかなんてまったくわかりません。

暗くなった雑木林全体が、軽やかな音色で満たされ、響きあい、共鳴しています。

ほんのいっときの事でしたが、なんだか自分が大きな生命の中にすっぽり入っているような、不思議で心地の良い感覚でした。



自分の暮らしとは、直接的には関係のないように思える虫たちの営み。

季節ごとに移り変わる色どりや音色。

私達はつい自分たちだけの日々の生き様に囚われてしまうけど、世界には様々な命があって、とても複雑な関係にあるのだと思い出させてくれます。

毎日、眼の前にあってもその正体すらわからない無数の虫たち。

ひとつの雑木林は、ひとつの宇宙。

雑木林はものすごくたくさんの命を育み、共存しているのでしょう。



国立の秋はこれからが本番。

大学通りの銀杏並木が色づくのはもう少し先。

夏の名残りと、涼やかな雑木林の合唱を楽しみながら、この星の一員として、今ある生命を見つめていきたいなと思いました。
author:, category:日々のつぶやき, 13:40
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