始まりは「国立オトナの器MAP」のチーム器MAPの集まりから。
ギャラリーカフェPupuさんがキッチンの拡充のために、現在使用している冷蔵庫を処分しなくてはならないのよね、という一言からでした。
実はストラーダ・ビアンカにはこれまで冷蔵庫がなかったのです。
暑い夏に向けて、あればいいなと思ってはいたのですが、現在のバックスペースはおとなりのアクセサリー・ジェイさんとの共有スペース。
そこにはすでに、ジェイさんの小さめの冷蔵庫があります。
Pupuさんの不要になる冷蔵庫は、一般サイズのちゃんとした大きさ。
バックスペースの広さは、まさに猫の額ほどの小さなスペースです。
この場所に二台の冷蔵庫を置くのは無理だし、電気代だって無駄になるばかり。
そこでジェイさんに、この大きい方の冷蔵庫を共同で使いませんかと提案してみたところ、快諾を得られ、めでたくPupuさんの冷蔵庫を貰い受けることとなりました。
これで熱い日にも冷たい飲み物ぐらいは用意できるかな?
と喜びもつかの間、狂想曲は続きます。
そう、今度はジェイさんの使っていた小さめの冷蔵庫が余ってしまうのです。
冷蔵庫はいらなくなったらポイっと捨ててしまうこともできません。
まして現在は、処分にもお金がかかる時代。
お金も問題ですが、使えるものを捨ててしまうというのが、なんとももったいない・・・
そして不要になったらお金をかけて、クールに解決してしまうという風潮にもなんだか抵抗があります。
なんとかしなくちゃ・・・と気持ちは焦るばかり。
Pupuさんの話が出た時点では、たまたまうちに冷蔵庫がなかったという偶然が重なったのですが、今どきたいていの家やお店に冷蔵庫がないという状況はそうそうありません。
とりあえず、知り合いに声をかけて「冷蔵庫いりませんか?」と聞いて回るものの、なかなか引取り手は見つかりません。
時間ばかりが過ぎていき、いよいよ明日冷蔵庫の入れ替え日。
これはやっぱり処分に回すしかないのかな〜と、半部諦めていましたが、最後にもう一度、今度は「こもれび通り」のご近所に声をかけて回ってみます。
ふらっと歩いていると樹心社さんの奥様の姿。
「あの〜冷蔵庫が余るんですが・・・」
しかし国立で30年の歴史のある出版社に冷蔵庫がないはずもなく、さてどうしたものかと見渡すとドッグアクセサリーのピニョンミニョンさんの窓が開いていて、向こう側に人の気配が。
なんだか、まるで江戸時代の長屋の暮らしみたいですが、その窓から「こんにちは〜」と声をかけてみました。
「あの〜、冷蔵庫がひとつ余るんですが・・・」
と切りだすと
「え〜、そうなんですか?! ウチ今冷蔵庫ないんです〜!!」
と驚きのうれしいお返事。
こうしてめでたく冷蔵庫の行き先が決まりました。
なんだか言葉にしても伝わりにくいのですが、器マップの集まりから、こもれび通りのご近所付き合いで、めでたく冷蔵庫が無駄なく、欲しい人の手に渡っていったのが、なんだかとても嬉しい気がしたのです。
国立という街ならではの、いろいろな人のつながり。
声を掛け合うことでつながる面白さ。
この街の当たり前の、どうってことのない日常の一コマ。
街が生きているって、こういうことなのかなと感じた出来事でした。