トスカーナ料理の役者たち
トスカーナパン
パン

主食であると同時に、前菜やサラダ、スープなど、料理の材料としても使われます。トスカーナのパンは塩が入っていないため、料理そのものの味を際立たせてくれます。またトスカーナパンに塩が入っていないのは、その昔塩が貴重品だったからともいわれていますが、倹約を旨とするトスカーナ人にはいかにもありそうな話です。形は大きな楕円形で、生地は密度が濃く、白色または少し黒ずんでいるものもあります。皮は非常に固く、慣れないと口の中を怪我してしまいそう。しかもかつては一週間に1度まとめてパンを焼く習慣で、さらに固くなったパンを無駄にしないよう、パンコットやパンツァネッラなどの料理が生まれたようです。



ピシ
パスタ

トスカーナのパスタの代表的なものと言えば、まずピシ(pici)。日本の手打ちうどんのような、太くてコシのある手打ちパスタです。シンプルにアリオオリオ(ニンニクとオリーブオイル)でもおいしいし、どんなソースにも合います。また、卵色をした幅広(約4cm)の平たい手打ちパスタ、パッパルデッレ(pappardelle)も有名。こちらはうさぎ、または猪の肉のトマトソースでいただきます。(写真はピシのミートソース)




オリーブオイル

トスカーナのほぼ全域で生産されていますがルッカとキャンティ周辺が産地として特に有名です。一般的にトスカーナのオイルは香り高く、風味が強く、刺激的でさえあると言われますが、産地によって風味もそれぞれです。どちらかと言うとルッカのオイルは軽くてエレガント、一方キャンティ周辺のオイルはよりはっきりした風味があります。酸度は大変低く、色は濃い緑から緑がかった黄色までさまざま。丁寧に手摘みで収穫され,最大の注意を払って品質が守られています。トスカーナ料理の主要な調味料として、調理にそして食卓に君臨しています。



ビステッカアラフィオレンティーノ


牛肉、羊肉、豚肉、鶏肉にジビエ・・・肉はトスカーナ料理の重要な決め手の一つです。網焼きや串焼きはもちろんのこと、ローストにした後浅鍋に入れる郷土料理、アロスト・モルト(arrost morto)や、ボイル、シチューなど多様な料理があります。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風・牛肉の炭火網焼)は特に有名ですが、これは白いキアーナ牛で作るのが最高だとか。キアーナ牛のふるさとはアレッツォ南部のキアーナ渓谷ですが今ではトスカーナ全域で育てられています。香辛料を効かせた生ソーセージ、サルシッチャ(sarsiccia)は焼いても煮てもジューシーで美味。(写真はビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)



リボリータ
野菜と豆

多くの料理にトマトが使われるほか、白インゲン豆、アーティチョーク、黒キャベツ、ラピーネ、エンドウ豆、そら豆もよく使われます。そら豆は生のままでペコリーノチーズと一緒に食べたりもします。野菜や豆をたっぷり使った田舎風のパン入りスープ、リボッリータ(ribollita)や、ズッパディファッロ(zuppa di farro)が郷土料理としてよく知られています。(写真はリボッリータ)



ハーブ、香辛料

トスカーナ料理はハーブや香辛料をよく使うので大変風味豊か。サルビア、ローズマリー、ローリエ、タイム、ネピテッラ(ミントの一種)などがよく使われます。唐辛子はあまり使いませんが、カッチュッコと言う魚のスープには使われます。香り付けに欠かせないのはキノコ類。キノコは料理の味を深めるためにさまざまなレシピに用いられています。また、胡椒はほとんどすべての料理にふんだんに使われます。





豊かな海の幸にも恵まれているトスカーナ。ヒメジのトマト煮(triglie alla livornese)や、さまざまな魚介を一緒に煮込んだ寄せ鍋風のスープ、カッチュッコ(cacciucco)が有名。またバッカラ(塩漬の乾燥タラ)もトスカーナの各地で使われる食材です。宗教上の理由から,今でも金曜日には魚を食べる人も多いようです。



プロシウット
サラミ類

フィノッキオ(フェンネル)の種の香りが独特の、大きなソーセージ、フィノッキオーナ(finocchiona)。豚のタン、香辛料、ピスタチオなどをゼラチンで固めた、ソプレッサータ(soppressata)。豚肉や猪肉の生ハム、豚の血と脂のサラミ、サングイナッチ(sanguinacci)など、伝統的なサラミ類は数えきれないほど種類が豊富です。有名なパルマの生ハムと比べると、トスカーナの生ハムは塩が効いていて色も鮮やかな赤色をしています(写真は生ハム)。



梨とペコリーノチーズ
チーズ

トスカーナのチーズと言えばペコリーノ。密度が高く濃厚なまろやな味でよい香りがします。熟成の度合いによって、味わいや香りもより深みを増していき、それぞれの時期に楽しむことができます。まだ若いペコリーノはフレッシュで柔らかく、そのまま食しますが、1年以上熟成したものは固くなるので粉チーズにしたり、焼いたりして使います。最高級のペコリーノはシエナの丘陵地帯やアレッツォで生産されるもので、この一帯に生える草が、羊の乳によい香りを与えるそうです。(写真は洋梨とペコリーノの前菜)



カントゥッチ
ドルチェ(デザート・お菓子)

スパイスやドライフルーツをふんだんに用いたパンフォルテ(panforte)やアーモンド粉を使ったリッチャレッリ(ricciarelli)などシエナのお菓子が有名です。また栗の粉と卵で作るタルトのようなカスタニャッチョ(castagnaccio)、アニスの香りのアーモンド入り堅焼きビスケット、カントゥッチ(cantucci)もよく知られています。またクリームドーナッツに似たトンドーネ(tondone)があります。(写真はカントゥッチ)
author:, category:トスカーナについてのお話, 11:43
comments(1), -
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ステキな食材が一杯
うれしくなります。
ryuji_s1, 2007/12/03 12:40 PM









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