- トスカーナと自転車の素敵な動画
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2013.09.12 Thursday
9月22日から29日にかけてフィレンツェを舞台にUCI ロード・ワールドチャンピオンシップ トスカーナ2013が開催されます。
ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスといったステージレースとは一味違うワンデイレース。
いくつかのカテゴリーにわかれてタイムトライアルやロードレース等の競技が行われます。
などと自転車レースに興味があればともかく、そうでない人にはちょっとわかりづらい大会ですが、この大会のプロモーション動画がとても素敵なのでご紹介します。
トスカーナの美しい自然や、フィレンツェの街並が存分に楽しめます。
下の動画も、そんなプロモーション用に作られたものみたい。
上の動画をアレンジして、往年のチャンピオン、マリオ・チッポリーニがトスカーナを走っています。
自転車競技に興味のない人も映像を楽しむための、Tips的なお話ですが、チッポリーニといえば、スーパーマリオのニックネームで愛されるイタリア自転車界のスーパースター。
ゴール前500mからの爆発力で、数々の勝利を手にした名スプリンターです。
レースに全身の筋肉をプリントした奇抜なジャージを着たり、レース後の表書式にスーツで現れたりと、その破天荒な伊達男ぶりで物議をかもしだすなどやんちゃぶりも有名です。
何年か前に日本で「ちょいワル」なんて言葉が流行ったことがありましたが、チッポリーニはまさにそんな感じ。
でも、ただの「ちょいワル」なんかじゃなくて、本物のチャンピオンなところが素晴らしい。
この映像のなかでチッポリーニが着ている、白に虹色の通称レインボージャージが、そのUCI世界チャンピオンの証です。
どちらも自転車競技に興味がなくても、きっと楽しめますよ。
しばしトスカーナへのトリップをお楽しみ下さい。
- トスカーナのヴィンテージ自転車レース
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2012.11.17 Saturday
偶然素敵な動画を見つけてしまったのでご紹介します。
つい先日トスカーナで行われたヴィンテージな自転車レースの動画です。
自転車も古ければ、ウェアまでビシッとヴィンテージでキメられています。
こだわりですね〜。
世界中から集ったチクリスト(サイクリスト)もヴィンテージなお方が多いようで、ジロ・デ・イタリアに出てくるような体脂肪が限りなくゼロなスタイルとはちょっと違うのも微笑ましく、コンペティションというシャカリキ感もなく、それぞれのペースでのんびり走っている模様です。
トスカーナ特有の田舎道、そうですストラーダビアンカ(直訳で白い道という意味)の中を走っていきます。
ヴィンテージの自転車であればこそ、やっぱりこの風景を走らなくては意味が無いのでしょう。
トスカーナの田舎道、ストラーダビアンカが、彼らの郷愁やルーツと繋がっていることをうかがわせます。
最近では日本でも大人気の自転車ロードレースですが、長い歴史を誇り、自転車に情熱を傾ける人の多いイタリアならではのイベントですね。
他にもミッレミリアのような、クラシックカーを使ったイベントなど、イタリアではこうした古いものを味わい尽くすイベントも盛んですし、ヴィンテージの楽しさと大切さ、そしてその歴史を愛し誇りに思う気質、そしてそのゆとりが素晴らしいです。
ストラーダビアンカで自転車といえば、「ストラーデ・ビアンケ」(ストラーダビアンカの複数形)という有名なワンデイレースもあります。
こちらは現代の最新モデルの自転車で現役のトッププロ選手により行われる本格的なロードレース。
普段は舗装路しか走らない自転車で、トスカーナの田舎道を激走します。
もちろんパンクもあるし、落車もある過酷なレースですが、やはりこれも自転車ロードレースの歴史にリスペクトした大事なレースといえるでしょう。
こちらの動画もありましたので貼っておきますね。
こちらはRAIの番組まるまるのようですので、かなり長い(約2時間)ですがシエナのスタートの様子からゴールまで続くトスカーナの美しい風景をお楽しみください。
- トスカーナ・花の季節
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2008.05.11 Sunday私がトスカーナの田舎町を自転車で巡っていたのはちょうど今頃の季節。ジロ・デ・イタリアも始まりました。トスカーナが花でいっぱいになる、夢のような季節です。
先日偶然、トスカーナの田舎町で素敵な暮らしをされている日本人女性のブログ《オリーブとブドウ畑のあいだで》に出会いました。リアルタイムでトスカーナの四季折々の風景を見ることができます。心癒される写真がいっぱいです。早速リンクを貼らせていただきました。
ゴールデンウィーク中に海外へ行かれた方、イタリアを旅行された方も大勢いらっしゃったことでしょう。でもトスカーナの田舎町まで足を伸ばした方はまだ少数派かも知れませんね。
そうはいっても、私がトスカーナの田舎を自転車で旅していた13年前でさえ、こんな人知れぬ小さな町に、と思うようなところでも在住の日本人の方に出会うことがあり驚きました。料理の修業のためにレストランで働いていた方、ワイン作りを学びにワイナリーで働いていた方・・・
当時通っていたイタリア語学校で知り合った日本人女性のなかにも、イタリア人パートナーと出会い、そのままイタリアで暮らすことになった方達が何人もいましたっけ。実にうらやましい限りです。(私は残念ながら?夫と一緒だったので、そのような出会いはいっさいなし。)ストラーダ・ビアンカの立ち上げ時にお世話になったジョバンニ君の奥様も日本人の方でした。
トスカーナの美しい写真を眺めながら、懐かしさとともに、かの地で出会った日本人の方達を思い出しました。みんな元気にしてるかな? ・・・シェフ、オペラ歌手、建築家、修復家、ジュエリーデザイナー志望だった皆さん、夢を実現されたでしょうか。
- トスカーナの美味と出会うには〜本当においしいものを観光客は知らない!?
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2007.11.13 Tuesdayトスカーナにはフィレンツェ、ピサ、シエナなど、中世の街並やルネッサンスの文化遺産で世界的に有名な観光地がたくさんあります。イタリアを初めて旅行された方なら誰しも、ローマ、そしてこれらトスカーナの街へ、必ずと言って良いくらい訪れたのではないでしょうか。そして街の中のレストランで名物料理をご堪能・・・。
ミケランジェロ広場からフィレンツェの町を望む
ところが、フィレンツェに暮らした私の経験からいうと、街の中で観光客相手にお店を出しているレストランって、実は本当においしいものを出してくれなかったりします。特に日本語の定食メニュー(いわゆるツーリストメニュー)を出している店は要注意!相手が日本人観光客だと思って、適当にあしらっている節もあります。
本当においしいトスカーナ料理は、観光客で賑わう中心街よりも、地元の人しか知る由もない郊外の丘の上にたつ、一軒家レストランで味わうことができるようです。
フィレンツェで知り合った日本人女性とイタリア人の男性との結婚披露パーティーに招かれて行ったのも、フィレンツェ郊外の素晴しい景観の中にある一軒家のレストランでした。そこでは本当においしいトスカーナの郷土料理の数々と地元のワインをお腹いっぱいいただくことができました。
また、夫と二人でトスカーナ一周の自転車旅行をしていたとき。キウジ(Chiusi)という街で偶然入った地元の小さなトラットリア。メニューに書かれていること以外にも、その日のおすすめ料理をお店のお兄さんとお姉さんが説明してくれます。未だかつて味わったことのない繊細な味の料理、店内の釜で焼きたてのパン、ワインなどあまりの美味に驚きました。厨房ではおばちゃんが二人、忙しそうに働いているのが見えました。
フィレンツェのレストランで
トスカーナ人は日頃多くの観光客を相手にしているにもかかわらず、意外と外の人間に対しては閉鎖的で頑固な性質を持っているように感じます。(語弊があるかもしれませんが、京都の人と似ているような・・・?)でもそのおかげで自分たちの歴史と伝統的な暮らしを何世紀にもわたって守り続けることができたのかもしれません。
そんなわけで、トスカーナでおいしいものを探すためには、ブランドや広告宣伝に頼るのではなく、「地元の人のおすすめ」が最も信頼できると思います。ヴェローニ農場のオリーブオイルも、トスカーナの友人のつてをたどって知り合った、プラートの中小職人会社組合のマーケティング担当であるモレッリ氏が「これは絶対おすすめ!」と紹介してくださったオイル。そして私も一口試食したとき、本当のトスカーナのオイルってこんなにおいしいんだ!と強く納得したのです。
モレッリ氏(右)と
- トスカーナ料理の役者たち
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2007.10.19 Friday
パン
主食であると同時に、前菜やサラダ、スープなど、料理の材料としても使われます。トスカーナのパンは塩が入っていないため、料理そのものの味を際立たせてくれます。またトスカーナパンに塩が入っていないのは、その昔塩が貴重品だったからともいわれていますが、倹約を旨とするトスカーナ人にはいかにもありそうな話です。形は大きな楕円形で、生地は密度が濃く、白色または少し黒ずんでいるものもあります。皮は非常に固く、慣れないと口の中を怪我してしまいそう。しかもかつては一週間に1度まとめてパンを焼く習慣で、さらに固くなったパンを無駄にしないよう、パンコットやパンツァネッラなどの料理が生まれたようです。
パスタ
トスカーナのパスタの代表的なものと言えば、まずピシ(pici)。日本の手打ちうどんのような、太くてコシのある手打ちパスタです。シンプルにアリオオリオ(ニンニクとオリーブオイル)でもおいしいし、どんなソースにも合います。また、卵色をした幅広(約4cm)の平たい手打ちパスタ、パッパルデッレ(pappardelle)も有名。こちらはうさぎ、または猪の肉のトマトソースでいただきます。(写真はピシのミートソース)
オリーブオイル
トスカーナのほぼ全域で生産されていますがルッカとキャンティ周辺が産地として特に有名です。一般的にトスカーナのオイルは香り高く、風味が強く、刺激的でさえあると言われますが、産地によって風味もそれぞれです。どちらかと言うとルッカのオイルは軽くてエレガント、一方キャンティ周辺のオイルはよりはっきりした風味があります。酸度は大変低く、色は濃い緑から緑がかった黄色までさまざま。丁寧に手摘みで収穫され,最大の注意を払って品質が守られています。トスカーナ料理の主要な調味料として、調理にそして食卓に君臨しています。
肉
牛肉、羊肉、豚肉、鶏肉にジビエ・・・肉はトスカーナ料理の重要な決め手の一つです。網焼きや串焼きはもちろんのこと、ローストにした後浅鍋に入れる郷土料理、アロスト・モルト(arrost morto)や、ボイル、シチューなど多様な料理があります。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風・牛肉の炭火網焼)は特に有名ですが、これは白いキアーナ牛で作るのが最高だとか。キアーナ牛のふるさとはアレッツォ南部のキアーナ渓谷ですが今ではトスカーナ全域で育てられています。香辛料を効かせた生ソーセージ、サルシッチャ(sarsiccia)は焼いても煮てもジューシーで美味。(写真はビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)
野菜と豆
多くの料理にトマトが使われるほか、白インゲン豆、アーティチョーク、黒キャベツ、ラピーネ、エンドウ豆、そら豆もよく使われます。そら豆は生のままでペコリーノチーズと一緒に食べたりもします。野菜や豆をたっぷり使った田舎風のパン入りスープ、リボッリータ(ribollita)や、ズッパディファッロ(zuppa di farro)が郷土料理としてよく知られています。(写真はリボッリータ)
ハーブ、香辛料
トスカーナ料理はハーブや香辛料をよく使うので大変風味豊か。サルビア、ローズマリー、ローリエ、タイム、ネピテッラ(ミントの一種)などがよく使われます。唐辛子はあまり使いませんが、カッチュッコと言う魚のスープには使われます。香り付けに欠かせないのはキノコ類。キノコは料理の味を深めるためにさまざまなレシピに用いられています。また、胡椒はほとんどすべての料理にふんだんに使われます。
魚
豊かな海の幸にも恵まれているトスカーナ。ヒメジのトマト煮(triglie alla livornese)や、さまざまな魚介を一緒に煮込んだ寄せ鍋風のスープ、カッチュッコ(cacciucco)が有名。またバッカラ(塩漬の乾燥タラ)もトスカーナの各地で使われる食材です。宗教上の理由から,今でも金曜日には魚を食べる人も多いようです。
サラミ類
フィノッキオ(フェンネル)の種の香りが独特の、大きなソーセージ、フィノッキオーナ(finocchiona)。豚のタン、香辛料、ピスタチオなどをゼラチンで固めた、ソプレッサータ(soppressata)。豚肉や猪肉の生ハム、豚の血と脂のサラミ、サングイナッチ(sanguinacci)など、伝統的なサラミ類は数えきれないほど種類が豊富です。有名なパルマの生ハムと比べると、トスカーナの生ハムは塩が効いていて色も鮮やかな赤色をしています(写真は生ハム)。
チーズ
トスカーナのチーズと言えばペコリーノ。密度が高く濃厚なまろやな味でよい香りがします。熟成の度合いによって、味わいや香りもより深みを増していき、それぞれの時期に楽しむことができます。まだ若いペコリーノはフレッシュで柔らかく、そのまま食しますが、1年以上熟成したものは固くなるので粉チーズにしたり、焼いたりして使います。最高級のペコリーノはシエナの丘陵地帯やアレッツォで生産されるもので、この一帯に生える草が、羊の乳によい香りを与えるそうです。(写真は洋梨とペコリーノの前菜)
ドルチェ(デザート・お菓子)
スパイスやドライフルーツをふんだんに用いたパンフォルテ(panforte)やアーモンド粉を使ったリッチャレッリ(ricciarelli)などシエナのお菓子が有名です。また栗の粉と卵で作るタルトのようなカスタニャッチョ(castagnaccio)、アニスの香りのアーモンド入り堅焼きビスケット、カントゥッチ(cantucci)もよく知られています。またクリームドーナッツに似たトンドーネ(tondone)があります。(写真はカントゥッチ)
- 小高い丘、オリーブ畑、糸杉の並木道・・・
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2007.09.17 Mondayトスカーナはイタリアの20の州のうちの一つで、南北に長いイタリア半島のほぼ真ん中に位置します。東はアペニン山脈、西はティレニア海と、山海の豊かな自然に抱かれ、また中央部のなだらかな丘陵地帯には牧歌的な田園風景が広がり、しばしばイタリアで、ひいては世界で、最も美しい地域と言われています。
トスカーナにはなんと6つもの世界遺産(文化遺産)があります。フィレンツェ、サンジミニャーノ、シエナ、ピエンツァの歴史地区とピサのドゥォーモ広場、そして2004年に認定されたオルチャ渓谷(Val d'Orcia)です。このうち最初の5つは日本からも毎年たくさんの観光客が訪れる世界的名所ですが、これらに比してオルチャ渓谷を訪れた日本人は多くないのでは。オルチャ渓谷一帯は小高い丘の連なりに糸杉が立ち並び、オリーブ畑やぶどう畑の間から石造りの建物が顔を出す、典型的なトスカーナの田園風景です。まさに絵はがきで見た景色がそのまま眼前に広がっているのです。そしてこれは決して手つかずの自然の姿ではありません。自然と人間の知恵とがみごとに調和し、一体となった姿なのです。その景観は何百年もの間大切に守られ、住民に豊かな恵みをもたらしてきました。
トスカーナの州都フィレンツェは盟主メディチ家の力によってルネッサンス芸術が花開いたところですが、美しい景観や自然と調和した人々の暮らしはルネッサンスの芸術家たちにもさまざまなインスピレーションを与えたに違いありません。ボッティチェッリの代表作として有名な『春』の神々の足下に描かれた草花はすべて実際にトスカーナに自生するものだそうです。レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』や『モナリザ』の背景にも、トスカーナの風景が描かれています。
もちろんトスカーナの魅力は田園地帯ばかりでなく,美しい海岸線や島、山岳地帯、中世の都市、芸術的遺産など、本当にバラエティ豊かです。それぞれの街毎に個性があり、人々は地元に強い愛着と誇りを持っています。
- 世界遺産オルチャ渓谷
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2007.07.23 Monday
先日、NHKでトスカーナのオルチャ渓谷の特集番組がありました。
トスカーナにはなんと6つもの世界遺産があります。フィレンツェ、サンジミニャーノ、シエナ、ピエンツァの歴史地区とピサのドゥォーモ広場、そして2004年に認定されたオルチャ渓谷(Val d'Orcia)です。このうち最初の5つは日本からも毎年たくさんの観光客が訪れる世界的名所ですが、これらに比してオルチャ渓谷を訪れた日本人は多くないのでは。
オルチャ渓谷一帯は小高い丘の連なりに糸杉が立ち並び、オリーブ畑やぶどう畑の間から石造りの建物が顔を出す、典型的なトスカーナの田園風景です。どこを撮っても絵葉書になりそうなすばらしい風景ですが、これは決して手つかずの自然の姿ではありません。自然と人間の知恵とがみごとに調和し、一体となった姿なのです。中世イタリアの都市国家は丘の上に城壁を築いてその中に街を作りましたが、都市の繁栄を支えていたのはそ周辺に広がる田園地帯がもたらす恵みでした。番組でも、痩せた土地を住民たちが何世代にもわたって耕し、田園の景観を守り続けている苦労などを伝えていました。
私は13年前、この地を夫と自転車で旅した時のことを懐かしく思い出しました。世界一美しいともいわれるトスカーナの田園地帯を、一年で最も美しいといわれる5月から6月の2ヶ月間、全行程約1500kmを駆け抜けた自転車とキャンプの旅です。初夏の光を浴びてきらめくオリーブの木々や真っ赤なひなげしの花畑のなかを抜け、牧草を食む羊たちのベルの音を聞きながら、糸杉の立ち並ぶいくつもの丘を越えて、小さな村々を訪れました。それはまさに夢のような情景でした・・・。 そして、人が自然と共存しながら暮らしを営む姿に、手をかけた我が子を慈しむような 愛情が感じられ、とても感銘を受けました。この時の感動が、ストラーダ・ビアンカを立ち上げる原動力となっているのです。
ヨーロッパとアジアの自然観は同じではないと思いますが、我が国にも、昔から自然と人が共生する、「里山」という文化がありますよね。森羅万象に神々の存在を認め、畏怖しつつ、人が生き抜くために自然から搾取するばかりでなく育てること決して忘れませんでした。(私の中では里山というと「となりのトトロ」に描かれている村の様子が思い浮かびます。)自然を破壊する、あるいは保護するといった人間側からの一方的な視点ではなく、共に生かし合うことが大事なのでは。トスカーナの美しい田園風景を見ていると、わたしたち日本人が失いかけている大切なことを教えてくれているような気がします。